「サッカーデイズ」 杉江由次 著 小学館文庫
- 2017.02.21 Tuesday
- 23:55
JUGEMテーマ:活字中毒〜読書記録〜
まずは著者の説明から。
書評誌「本の雑誌」を発行する本の雑誌社の”炎の営業“。
また本屋大賞の立ち上げにかかわった一人であり、業界では有名人といっていいだろう。
さらに浦和レッズの熱烈なサポーターとしても知られている。
個人的にこの方と名刺交換したことがある。
もしかしたらいっしょにフットサルをやったことがあるかもしれない。
やったとしても15年以上前のことなので正確なところは覚えていない。
著者には二人のお子さんがいる。
上が女の子、下が男の子。
その娘さんが少女サッカーのチームに入った。
どれどれと見に行ったら、コーチを頼まれてしまった。
仕方なく引き受けたが、そこから仕事以外のほとんどの時間をコーチとしての時間に費やすようになる。
娘さんが卒団するまでを中心に、著者の”サッカーデイズ“を綴った記録がこの本である。
この本が刊行されたとき、読もうかどうしようか迷っていた。
詳しくは書かないが、いろいろと複雑な理由というか感情があったんですよ。
ともかく読み始めた。
で、読み終えて後悔した、なんですぐ読まなかったのだろうと。
文章はうまいわ、テーマも魅力的だわ。
何度目頭が熱くなったことだろう。
娘を想う父親の心情はこういったものなんだろうなと素直に共感できた。
また時に著者の小学校・中学校時代が回想の形で挿入される。
著者が子を持つ親になって、当時の親がいかに著者に愛情を注いでいたかをあらためて感じることになる。
私が小学校・中学校のときにやっていたソフトボールやバスケのときを思いだした。
親は見守ってくれていたんだなぁと感じ、今更ながら憎まれ口ばかりたたいていないで、たまにはちゃんと親孝行しないといかんなぁという思いを持つに至った。
もちろん感動を売りにしようと意図して書いたものではないだろう。
だが結果的に”感動的“な本になった。
本にはならないが、私は私の「サッカーデイズ」を充実させようと強く思った。