「転落の街」マイクル・コナリー著 古沢嘉通 訳 講談社文庫

  • 2017.02.10 Friday
  • 23:59

JUGEMテーマ:活字中毒〜読書記録〜

ロサンジェルスが舞台の、強盗殺人課未解決事件班の刑事ハリー(ヒエロニムス)・ボッシュを主人公としたシリーズの最新翻訳作。

シリーズ開始から二十年、ボッシュも定年を迎える年齢となった。

 

原題は「THE DROP」、この「DROP」には三つの意味が込められている。

と、ここで少し話は横道にそれる。

今まで私は本を読むとき、メモなど取らずにとにかく読み進めていた。

だが昨年の晩秋のころから、本に付箋を貼るようになった。

そのころから新年になったらブログを再開しようと考えていたので、より内容を深く把握するための手助けになればと初めて見たわけだ。

ここでまた話を本筋に戻す。

この「転落の街」でも気になったところに付箋を貼っていった。

特に、いくつかの言葉にDROPあるいはドロップとルビをふっている個所に付箋を貼っていった。

定年延長選択制度(ディファード・リタイアメント・オプション・プラン)、滴下血痕。

そしてDROPにはもう一つ、転落の意味も込められている。

 

ボッシュは二つの事件を並行して担当することになった。

一つは未解決事件班としての本来の業務。

こちらは被害者に付着した滴下血痕から判明したDNAは、当時八歳の少年のものだった。

その少年が犯人なのか、違うとしたら真相は?

もう一つは一流ホテルで起こった転落死事件。

落ちた人間は、元ロス市警副本部長で現在は市議の息子だった。

またその市議は警察の副本部長時代、ボッシュとの間に確執があった。

市議の圧力で、本来の担当ではない転落死事件も担当になる。

なぜ担当に指名されたかいぶかりながら事件の究明にあたるボッシュ。

 

ボッシュは事件解決に直線的に向かう。

パートナーへの説明もろくにされないまま。

確かに腕利きなのはよくわかるのだが、これではパートナーはついてこないだろうなとも思う。

ともかく事件の真相に迫るところは、巻置く能わざるの言葉がふさわしい。

 

ここでまた話は横道のそれる。

今度は大きなお世話といわれるかもしれない。

この作品は上下巻からなり、どちらも330ページほどで本体価格は860円だ。

人によっては高いと思う人もいるかもしれない。

上下巻ではなく、1冊にまとめればもっと安くできるではないかと思う人もいそうだ。

だが制作する側からしてみれば、アドバンスを少しでも回収したいという意図があるのではないかと気がする。

言い換えれば、赤字覚悟だが、日本への紹介を辞めたくない一心で、それは出版社としての使命感といっていいのかもしれないが、紹介を続けているような気がする。

何を言いたいのかといえば、こんなに面白いシリーズを今後も出し続けてもらえるよう、もっと売れてほしいということ。

どうかこのシリーズの紹介が今後も続きますように・

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