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    言葉のクソッタレを考える

    • 2019.08.09 Friday
    • 22:56

    「紋切型社会」武田砂鉄 著 新潮文庫 読了

     

    ベストセラーや話題の本が気になるくせに、拗ねてるふりをしてそういった本をあえて読まないことが結構ある。

    だが心の奥のほうでは気になったままでいるので、しばらくして文庫になったところでこっそり読むことが、これも結構ある。

    この「紋切型社会」もそういった一冊だ。

    2015年に刊行されたとき、ペンネーム(まさか本名ではないだろう)にインパクトがあったので、話題になったことも含めてよく覚えていた。

     

    その武田砂鉄氏だが、もともとは編集者だったということを、著者紹介の欄などを読んで知っていた。

    ではどこの出版社だったのだろうかと気になっていた。

    その答えは意外なところで見つかった。

    今年の3月に『文藝別冊 宮脇俊三(増補新版)』が刊行されたので、すぐに購入した。

    すると増補の部分で、武田砂鉄が文章を寄せているのが目に入った。

    増補新版ではない元の本は私が編集したと。

    河出書房新社の編集者だったことに驚き、さらに実は鉄道ファンだったことにも驚いた。

    さらにいうと、武田砂鉄は『フットボール批評』にも「スポーツ文化異論」という連載ページを持っている。

    サッカーファンと考えるのが普通だろう。

    鉄道とサッカーが好きな作家を読まないわけにはいかないな、私は。

     

    この「紋切型社会」は武田砂鉄のデビュー作にして、Bunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞作。

    この受賞が売り上げにどこまで貢献したかはわからないが、出版業界内で知名度を上げることにはかなり貢献したのではないかと推測する。

    あまり大衆性に重きを置いていないというのがこの賞に対する私の印象だ。

     

    この本の中で「紋切型社会」を象徴する言葉を20(文庫版で1章が加わる)選んで考察している。

    数は多いがすべて上げてみる。

     

    01 乙武君

    02 育ててくれてありがとう

    03 ニッポンには夢の力が必要だ

    04 禿同。良記事。

    05 若い人は、本当の貧しさを知らない

    06 全米が泣いた

    07 あなたにとって、演じるとは?

    08 顔に出していいよ

    09 国益をそこなうことになる

    10 なるほど。わかりやすいです。

    11 会うといい人だよ

    12 カントによれば

    13 うちの会社としては

    14 ずっと好きだったんだぜ

    15 “泣ける”と話題のバラード

    16 誤解を恐れずに言えば

    17 逆にこちらが励まされました

    18 そうは言っても男は

    19 もうユニクロで構わない

    20 誰がハッピーになるのですか?

    文庫版新章

    21 生産性

     

    順番に読んでいった。

    なるほど、たしかに、などとほとんど紋切型といってしまえるような感想を持ちながら読み進めていくうちに、14章にたどりついた。

    ここからの3章に、著者の発する言葉の力を私は最大に感じた。

    いわばこの本のクリーンナップトリオだと思ったのだ。

    とくに15章は4番バッターだった。

    著者はライターをやっていて、こんな感じの文章をと依頼されることがよくあるそうで、なんとなくありそうだなと推測することはできる。

    書きたいように書けるのではないため、そういった指示があるのでは受けられないと答えると、断られた理由がよくわからない依頼者。

    これぞ紋切型社会なのだろう。

     

    また著者は文庫版新章で、『新潮45』を休刊に追い込むことになったあの生産性の話題を取り上げている。

    その流れで新潮社の社長が取った鎮静化の方策にダメ出しをしている。

    新潮社でこの本の文庫化が決まっているのに、社長に対してダメ出し。

    いやあ、やはり著者は紋切型から一番遠い人なのだろう。

     

    内柔外剛とも少し違う著者の態度を見習いたいと思う。

     

    現智の人とだから通じ合う

    • 2019.06.25 Tuesday
    • 22:09

    JUGEMテーマ:活字中毒〜読書記録〜

    『完本 しなやかな日本列島のつくりかた 藻谷浩介対話集』 藻谷浩介 著 新潮文庫 読了

     

    金曜日に途中まで書いたところでアップを断念、週末のうちに書き足してアップしようと思っていたのだがそうもいかず、すっかり間が空いてしまった。

    気を取り直して書き進める。

     

    『デフレの正体』『里山資本主義』の著者である藻谷浩介が、”現智の人”13人と対話、それをまとめたのがこの本。

    ”現智の人”とは、まえがきから引用すると『特定の分野の「現場」に身を置いて行動し、掘り下げと俯瞰を繰り返している人のこと』とある。

    頭と足を常に使う人のイメージが浮かんだ。

    また書名に『完本』とあるが、もともとは『しなやかな日本列島のつくりかた』とその続編にあたる『私の国富論』として出された2作を合本文庫化という意味だ。

    さらにここでは『対談集』ではなく『対話集』という言葉を使っている。

    ただ語らうのではなく、上の話とも連動するが話を深く掘り下げようという意思を感じる。

     

    まずは章立てを載せる。

     

    第一部 町の未来はどこにあるのか

     第 一 章 「商店街」は起業家精神を取り戻せるかー新雅史(社会学者)

     第 二 章 「赤字鉄道」はなぜ廃止してはいけないかー宇都宮季浄人(経済学者)

     第 三 章 「ユーカリが丘」の軌跡ー嶋田哲夫(不動産会社社長)

     第 四 章 「観光地」は脱・B級志向で強くなるー山田桂一郎(地域経営プランナー)

     第 五 章 「空き家」活用で日本中が甦るー清水義次(都市・建築再生プロデューサー)

    第二部 いまこそ第一次産業を再考する

     第 六 章 「農業」再生の鍵は技能にありー神門喜久(農業経済学者)

     第 七 章 「林業」に学ぶ超長期思考ー速水亨(速水林業代表)

     第 八 章 「漁業」は豊かさを測るモノサシであるー濱田武士(漁業経済学者)

    第三部 アップデートされる暮し

     第 九 章 「限界集落」と効率化の罠ー山下祐介(社会学者)

     第 十 章 「医療」は激増する高齢者に対応できるかー村上智彦(医師)

     第十一章 「崩壊学級」でリーダーが育つー菊池省三(元小学校教師)

     第十二章 「超高齢化社会」は怖くないー水田惠(株式会社ふるさと代表取締役社長)

      終  章 「参勤交代」で身体性を取り戻すー養老孟司(解剖学者)

     

    この中で特に印象に残っている三人との対話を取り上げたい。

    まずは宇都宮浄人から。

    私の今まで書いてきたものを読んでもらえれば、なぜ私がこの人を取り上げたかは説明する必要がないだろう。

    二人の対話を読むと、いかに鉄道が経済的に優れた乗り物であるかがわかる。

    そして街の賑わいに貢献するかも。

    対話中にもあるが、名鉄の岐阜市内線の廃止は愚策だった。

    逆のベクトルの富山市がコンパクトシティづくりで成功しているのと対照的だ。

    一度、間に猪谷駅をはさんで岐阜と富山を結ぶ高山線の旅というのもしてみようか。

    これは名字からつい連想してしまうのだが、宇都宮市のLRTも2022年には開通予定だ。

    早くこの列車に乗ってグリスタへ行ってみたい。

     

    続いて嶋田哲夫。

    京成電鉄のユーカリが丘駅に接続して山万ユーカリが丘線という新交通システムが走っている。

    この路線は不動産会社が運営している鉄道ということで異彩を放っているが、その不動産会社の社長が嶋田氏。

    初めて知ったが、もともと山万は福井発祥の繊維問屋だった!

    あまり価値のないと思われた不動産を安価で取得することになったのを機に、宅地開発を始めたところ、これが大当たり。

    だがここで欲を出さずに地道にそして理想を求めて開発に着手したのがこのユーカリが丘だった。

    この開発の進め方は当時の不動産会社では考えられないものだった。

    一歩も二歩も時代の先を進んでいた。

    詳しくは書かないが、個人的に女子大駅のそばにいつ女子大が移転してくるのかと思っていたが、移転できない理由が話されていてまあ仕方ないかと思った。

     

    最後に村上智彦。

    じつはこの方は2017年に急逝されている。

    この対話を読むと、それまでの間にいかに無理して働いていたかがわかり、かわいそうなと思ってしまった。

    さらに怒りすらも覚えた。

    のちに医師10人でこなすことになる業務を、1年3か月の間一人きりで行っていた。

    なくなられたのは過労死といっていいのではないか。

    医療に当たっていたのは夕張市で、この章を読む直前にちょうど私は石勝線夕張支線に乗りに行ったばかりであった。

    その意味でもこの章は心に強く刻まれている。

     

    3人を書き出してみて、全部鉄道と絡めた話にしてしまったことにあらためて気づいた。

    もちろん鉄道に関心のない方でも一度立ち止まって考えてみたくなる話ばかりなので、ぜひ手に取っていただきたいと思う。

    誤報から始まった冤罪事件

    • 2019.06.11 Tuesday
    • 23:29

    JUGEMテーマ:活字中毒〜読書記録〜

    「争うは本意ならねど 日本サッカーを救った我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール」 木村元彦 著 集英社文庫 読了

     

    2007年に起こったサッカー界の冤罪事件の顛末を綴ったノンフィクション。

    著者はストイコビッチやオシムなど旧ユーゴのサッカー関係者を追ったノンフィクションには定評がある。

    最近では『フットボール批評』に載っていた、昨年のベルマーレのルヴァンカップ決勝前後の日程面のおかしさを指摘した文が印象に残っている。

    私は勝手にサッカー界の社会派ライターと呼んでいる。

     

    この本を読んでいるとき、私は腹が立って腹が立って仕方なかった。

    もちろん中身がない本だから腹が立ったわけではなく(もちろん内容ぎっしり)、自分の間違いを認めない人物や責任逃れに汲々とする人物、意味のない先輩面を表に出す人物、こういった人物が出てくるたびに怒りは募っていったのだ。

     

    この冤罪事件は、一般的には我那覇問題として記憶されている方が多いだろう。

    我那覇がドーピングをしたしないで新聞記事になっていた問題である。

    だが著者はいう、これは我那覇問題ではなく、青木問題・鬼武問題・川淵問題だと。

     

    青木という人物は、当時のJリーグドーピングコントロール委員会委員長。

    だがこの委員会はチェック機能を全然果たせない構造になっており、青木委員長がクロといえばそのまま通ってしまうようなところだった。

     

    鬼武は当時のJリーグチェアマン。

    ドーピングに関する知識が乏しかったからか、とにかく鎮静化させようといった方向でこの問題に対応していた。

     

    川淵は当時の日本サッカー協会会長。

    この人の口から出る無責任な言葉が問題を不必要に大きくさせた。

     

    また元Jリーガーの国会議員友近聡朗が国会でこの件を取り上げると、大学の先輩である鬼武チェアマンから番記者を通してカンカンに怒っていると伝えられたという。

    またこれとは別の件で、我那覇の所属する川崎フロンターレの武田社長を、当時のJリーグ専務理事だった犬飼が公衆の面前で叱責したという。

    この二人も大学サッカー部の先輩後輩の間柄、やはりおかしい。

    まあ武田社長もこの冤罪事件ではことなかれに走ったように見えるが。

     

    こういった人物の対極として当事者の我那覇がいる。

    2000万円を超える金銭負担を受け入れてスポーツ仲裁裁判所に提訴した。

    その聴聞会での終わりの我那覇の英語のスピーチが胸を打つ。

    訳せばこうなる。

    「私はサッカーに人生を捧げてきました。サッカーを裏切るようなことはしていません」

    「もうすぐ4歳になる私の息子が、最近、サッカー選手になりたいと言い出しました」

    「自分のためだけでなく、息子のためにも、胸を張ってサッカーをやっていきたいと願ってます」

    「また、私と同じ経験をする選手があってはならないと願ってます」

     

    腹が立ったり、胸を打ったり、感情の起伏がはげしくなってしまう。

    ここで今度は少しほっこりする話。

    Jリーグ実行委員会の場において、当時のエスパルスの早川巌社長が我那覇を守れと意見を述べていたという。

    実はこのあとも早川社長はこの本の中で登場する。

    我那覇の裁判費用の負担を少しでも軽くしようと募金活動をするのだが、この募金の場面でも顔を出すのだ。

    我那覇君をうちのチームに欲しいので少しでも心証をよくしようと思って、というあたりが照れと本音の両方が見えて面白い。

     

    またエスパルスのチームドクター福岡の名前も出てくるなど、Jリーグのチームドクターのバックアップがあったのも強調しておきたい。

    もちろん当事者としても重要なのはフロンターレのチームドクターですけどね。

     

    この本の単行本が刊行されたのが2011年12月、文庫化が2019年1月。

    長らく文庫化されなかった本が、なぜ今年になって文庫化されたのかその意味を考えたい。

    ラグビーW杯、東京五輪、プレーヤーズファーストで進められるだろうか?

     

    なお章立ては以下のとおりです。

    第1章 誤報

    第2章 異議

    第3章 論争

    第4章 遠い道

    第5章 我那覇への手紙

    第6章 美らゴール

    参考までに美らは『ちゅら』と読みます、琉球方言ですね。

    55年後に完走のアナウンス

    • 2019.05.21 Tuesday
    • 22:26

    「金栗四三 消えたオリンピック走者」 佐山和夫 著 潮文庫 読了

     

    大河ドラマが何になるか発表されると、原作本であったりドラマの主人公の評伝であったり、そういった書籍が書店の平台の一角を占めることになる。

    ただ私は大河ドラマを見たことがないので、なんで多くの人は大河ドラマというだけでありがたがるのかと不思議に思っていた。

    まあ書店の事情を考えると、よく分からないがとりあえず売れそうなら何でもプッシュしとけといった感じではないかと想像する。

    と書いておきながら今回紹介するのは、半分以上金栗四三の評伝といっていい本だ。

    大河ドラマに無関心の私がなぜ読もうと思ったかといえば、この本の著者の佐山和夫氏が金栗四三について書くというこの取り合わせに魅かれたからだ。

     

    佐山和夫氏のデビュー作「史上最高の投手はだれか」を大学時代に読んだ。

    二グロリーグを中心に活躍し、通算2000勝(!)を記録した伝説の投手サチェル・ペイジの評伝だ。

    さすがにもう内容はあまり記憶にないが、軟式野球のサークルに入っていた私はかなり熱心に読み進んだことだけは覚えている。

    その佐山和夫氏が日本マラソンの父ともいわれる金栗四三をテーマに本を書く。

    これは面白いに違いないと思い、この本を手に取ったわけだ。

     

    で金栗四三だ。

    最初にこの人の名前を聞いた時は「かなくりしぞう」の読みだったはず。

    それが2年前くらいからだろうか「かなくりしそう」と呼ばれるようになり、最初はかなり違和感を覚えた。

    三の読み方として「ぞう」はあるが、「そう」はないだろうと思った。

    「しぞう」も「しそう」もどっちもあるというのが、この本の第二章を読むとわかる。

    パスポートのローマ字表記では『SHIZO』とあり、本人の筆記体のサインでは『Shiso』とある。

    想像でしかないが、本来「しそう」だったが、パスポートを作成する際にだれかが『三』は『ぞう』と読むと思い込んでパスポートを作ってしまったのかもしれないなと思った。

    その意味では「しそう」がやっぱり正しいのか。

     

    些末なことから離れて、アスリートとしての金栗四三に触れなければ。

    初めて日本が近代オリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピック。

    選手は金栗四三と、陸上短距離の三島弥彦の二人のみ。

    初参加ということで、どう準備していいのかなど誰もわからない。

    いろいろな準備不足が重なり、万全とはとても言えない体調でマラソンに出場した金栗四三は、26.7キロ地点で忽然とレースから消えてしまう。

    実際のところは、倒れて近所に住んでいる方に介抱されていたわけなのだが。

     

    著者は実際に現地を訪れ、金栗四三が倒れた場所を正確に記したいと思っていた。

    だが、そのあたりは再開発され、今ではショッピングモールになっていた。

    このあたりの筆致は、評伝というより紀行エッセイを読んでいるかのようで、これはこれで面白いと思った。

     

    1967年、金栗四三はストックホルムから招待を受ける。

    彼はもちろんゴールはしていないが、棄権もしていないことになっているという。

    55年後にゴール・テープを切り、こんなアナウンスがあった。

    「日本の金栗四三選手、ただいまゴールインしました。タイム、54年と8か月6日5時間32分20秒3」、さらに「これをもちまして、第5回ストックホルム・オリンピック大会の全日程を終了いたします」と。

    いいですね、こういう話。

     

    オリンピック出場後は、マラソンランナーの育成に力を注ぐことになるが、早くから女性スポーツの肝要性を説いていたことは注目に値すると思う。

    金栗四三は十文字高等女学校に勤務していた時期があった。

    おそらく今の十文字学園だろう。

    女子サッカーの全国的な強豪校だが、金栗四三の教えが伝わっているのかもしれないと想像した。

     

    箱根駅伝のMVPに金栗四三杯が贈られることは周知の事実といっていいかもしれない。

    なぜ箱根を走るのかといった理由も書いてるので、箱根駅伝好きの方も一読の価値ありではないか。

    また来年に迫った東京オリンピックにどういった形でかかわるのか、積極的にかかわるのか、冷めた目で見るのか。

    どちらの方にとってもやはり一読の価値があるかと思う。

     

    でもやっぱり四三はしぞうと読みたいよなあ。

    高田センセーだから書けた

    • 2019.03.22 Friday
    • 22:28

    「ご笑納下さい 私だけが知っている金言・笑言・名言録」 高田文夫 著 新潮文庫 読了。

     

    この人の肩書は、今なんというのが一番ふさわしいのだろう。

    高田文夫センセーのことである。

    放送作家なことは間違いないが、今でもその肩書でいいのだろうか。

    ラジオのパーソナリティのほうが有名かもしれないし。

    ともかくそんな高田センセーがメモに残した、あるいは実際にその場に立ち会って得た”珠玉の一言”のオンパレードがこの本だ。

     

    実はこの本からいただいて飲み会で使ったものがある。

    駅順俳句「信濃町四ツ谷市ヶ谷飯田橋」。

    部の飲み会がたまたま飯田橋で行われることになった。

    なぜかいつも始まりのあいさつと締めのあいさつを私がすることになっている。

    毎回やってりゃ話すネタも切れる。

    さてどうしようと思っていた時にこれを見つけた。

    そこで始まりのあいさつで、故福井敏雄氏ばりに「ここで一句申し上げます」と発声し「信濃町四ツ谷市ヶ谷飯田橋」と詠みあげた。

    ビミョーな空気が流れた。

    懲りない私は締めのあいさつでまた「ここで一句申し上げます」発声し「飯田橋市ヶ谷四ツ谷信濃町」と詠みあげた。

    みなが異口同音に、さあ帰ろとのたまわった。

     

    またこの本を読んで初めて知ったことがある。

    有吉弘行の再ブレイクは高田センセーのおかげだということだ。

    有吉は自らを高田チルドレンと言っているそうな。

    そうだったんだ。

    経緯はこんな感じ。

    上島竜兵を囲む飲み会「竜兵会」によばれた高田センセー、そこで『有吉の尋常じゃない面白さ、上島竜兵への神がかり的ツッコミに舌を巻』く。

    それから自分の番組のレポーターをやらせたら爆笑もの。

    それから若いディレクターが有吉を起用するようになったとのこと。

    再ブレイクのきっかけはあだ名付けだけではなかったのね。

     

    さらに高田センセーは新しい言葉の使い方もいくつか発明していると自負している。

    例えば「私的には」。

    これは「私(タカダ)的には談志派だけで、お前的には志ん朝派なんだろう?」と使い始めたと。

    そのほかにも「〇〇すぎる」や「そんなこんなで〇〇」といったフレーズも自分が最初に言ったと断言している。

    やはり放送作家はこういった言葉の使い方の感覚がすぐれているのかなあと思った。

    が、なぜか「のびしろ」なんて日本語はない、あるのは「のりしろ」だといったことも書かれている。

    新しい言葉の使い方を自分が言い出しっぺと書いておいて、これはちょっとなあと思った。

    さらに本当に「のびしろ」なんて言葉は今までなかったのか調べてみた。

    するとこの言葉が広く使われるようになったきっかけはサッカーだったようだ。

    1998年フランスW杯に初出場する日本代表、岡田監督はカズを落とし城をFWの柱にすると言い、続けて彼(城)には若いから伸びしろがあると言ったとのこと、そこからスポーツの世界で使われだした模様。

    言われていればそんな岡田監督の言葉を聞いたような気もする。

    この言葉、広辞苑に載ったのは2008年から、やはり新しい言葉なのね。

     

    ギャグのネタとして使えるだけでなく、お勉強のきっかけにもなった本でした。

    ただギャグの使いどころには十分気を付けましょう。

    とにかく出世が速すぎて

    • 2019.02.18 Monday
    • 23:35

    「天才 藤井聡太」 中村徹 松本博文 著 文春文庫 読了。

     

    まず書いておきたいのは、この文庫本は2018年11月刊行で、元本の単行本は2017年9月刊行だということだ。

    何を言いたいのかといえば、文庫化があまりに早いということ。

    単行本が出て文庫になるまで3年が目安と言われている(今はもう少し早くなっているか)。

    まあ原作が映画化されるなどの理由で早まることもあるが、それにしても刊行後1年2か月での文庫化は極めて異例といっていい。

    なぜこのようなことが起こったか、それはやはり藤井七段の出世と棋力の向上が予想を上回ってるからではないだろうか。

     

    著者の一人、中村徹は「週刊文春」の記者、あるいはこの本の元本は週刊誌連載をまとめたものなのだろうか。

    もう一人、松本博文は東大将棋部出身のフリーライター、彼の著作のいくつかは読んだことがある。

    将棋への愛情も感じるし、逆に客観的に見る目も持っていると思っている。

     

    章立ては以下の通り

    第一章   師匠・杉本昌隆との九年間

    完全保存版 不滅の二十九連勝を辿る

    第二章   連続インタビュー 若手棋士たちの矜持

    第三章   迎え撃つ王者

    第一章は中村徹による文、第三章は羽生善治九段と渡辺明棋王(いずれも現在の肩書)へのインタビュー、残りが松本博文によるもの。

     

    藤井七段といえば、つい先日も朝日杯将棋オープンという棋戦を2連覇したばかり。

    さらに決勝の相手が、私が今一番強いと思っている渡辺明棋王というのだから、その価値は高いとしか言いようがない。

     

    話は飛んでしまうが、朝日杯決勝で下した渡辺棋王の文庫本の中のインタビューで、藤井七段の将棋をサッカーに例えている部分がある。

    詳しくは書かないが、それに倣って、将棋の二大タイトルをサッカーに例えてみることにする。

     

    二大タイトルのうち伝統を誇るのが名人位だ。

    このタイトルを取るためには、プロになってから最低でも5年かかる。

    名人戦は順位戦と一体化していて、一部の棋士をのぞいてA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5クラスに分かれている。

    クラスを一つ上がるのに、最低1年かかる。

    藤井七段は現在C1級なので、最上位のクラスにたどりつくまであと3年は必要だ。

    そしてA級で最上位になると、名人と七番勝負を行い、先に4勝をあげれば名人位に着くことができる。

    これはサッカー界でいえばリーグ戦に相当するといえるのではないか。

    C1がJFLで、B2がJ3,B1がJ2で、AがJ1。

    サッカーには防衛戦はないが、1年に一つのクラスしか上がれないところが共通している。

     

    もう一つの権威あるタイトルは竜王戦、こちらは賞金が将棋界で一番高いもの。

    名人戦と違って、可能性だけで言えば、プロになったばかりの棋士でも、いやアマチュアや女流棋士でも挑戦者に、さらにタイトルホルダーになれる。

    こちらはサッカーでいえば天皇杯に例えられよう。

    順位戦のクラスは低いが、実力は十二分といった棋士が最初にこのタイトルを取るといったことがある。

    羽生九段の初タイトルはこの竜王戦、19歳2か月という若さ。

    渡辺棋王も竜王戦が初タイトルで20歳で獲得している。

    そう考えると、近いうちに藤井七段が竜王に挑戦といった場面を想像しても的外れではないだろう。

     

    5人目の中学生プロ棋士藤井聡太。

    彼のおかげで、時間のあるときにYou Tubeの将棋の解説をよく見るようになった。

    その映像を見るだけでも、彼の構想力に驚くことがよくある。

    これから先、どこまで強くなるのか。

    そしてタイトルを取った時、世間の盛り上がりはどのようになるのだろうか。

    わくわくしながらその日を待ちたいと思う。

     

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